行政書士は独立開業が可能な魅力的な資格です。
ここでは試験に合格してから具体的にどうすればいいのか簡単に説明します。
目次
行政書士の開業方法について試験を受ける前によく知っておこう!
開業資金

行政書士は試験に受かっただけでは行政書士と名乗れません。行政書士として行政書士会に登録する必要があります。
行政書士会の登録費用は約30万円です。
さらに事務所を借りる場合はその費用と、新しいパソコンやプリンター等の費用、しばらく稼げないことを想定した貯金等を合わせると100万ほど必要になってきます。
行政書士の登録方法

自分の開業地である都道府県の行政書士会へ登録してから日本行政書士会連合会に登録します。
都道府県行政書士会への提出書類は各都道府県によって異なります。ホームページでダウンロード可能です。
- 申請者が都道府県の行政書士会に申請書類提出
- 都道府県の行政書士会が受付・書類精査・現地調査・入会受付をし日本行政書士会連合会に進達・補正連絡
- 日本行政書士会連合会が受付・審査・行政書士名簿登録・通知書発行・登録証作成・行政書士証票作成をし都道府県の行政書士会に照会、登録通知、交付をする
- 都道府県の行政書士会が申請者に対し照会対応・登録通知・交付を行う
日本行政書士会連合会の提出書類(公式サイトでダウンロード可能)
- 行政書士登録申請書
- 履歴書
- 誓約書
- 登記されていないことの証明書(提出日から3か月以内のもの)
- 戸籍抄本(提出日から3か月以内のもの)
- 本籍地の記載された住民票の写し(提出日から3か月以内のもの)
- 身分証明書(免許ではなく市区町村発行の)(提出日から3か月以内のもの)
- 顔写真(提出日から3か月以内のもの
場合によって必要な書類
- 公務員職歴証明書
- 雇用契約書(行政書士又は行政書士法人の使用人として登録する場合、勤務先と取り交わした契約書の写し)
- 共同・合同事務所届出
- 事務所の所在等を確認するための書類
事務所調査
都道府県の行政書士会に書類を提出してから1か月以内に、行政書士会の方がちゃんとこの事務所で開業できるかをチェックしに来ます。
- 仕事ができる環境が整っているか
- 個人情報を守れるか
①については、後述しますが必要なものが最低限揃っていて、行政書士としての職務を遂行できるが等を確認します。
②については、自宅開業の場合は仕事場と生活する居住空間がしっかり区別されている必要があります。
行政書士は顧客の個人情報を守る守秘義務があるので、自宅に居住空間とは区別された四方を壁で囲まれた一室が必要です。
つまり、顧客の相談内容が外に漏れないかどうかを確認します。さらに、顧客の個人情報を安全に保管できる鍵のかかる金庫等があるかも確認します。
事務所の場所

事務所を新たに設ける場合は場所が非常に重要になってきます。集客が見込める駅前にするか、安さを求めて郊外にするか等の選択肢があります。
行政書士の開業場所を決めるひとつの目安として、業務内容によって場所を決める方法があります。
行政書士の業務として一般的な許認可関連を第一の業務に考えているのなら都庁(県庁)とのアクセスがいいところが便利です。
会社設立系を考えているなら法務局とアクセスがいいところが便利です。
しかし、ここ数年は行政の電子化が進んできているので将来を見据えれば、直接官公署に足を運ばなくてもよくなる時代が来るかもしれません。
ですので、利便性を考えた立地に関してはそこまでこだわる必要はないかもしれません。
ただ、その立地で集客できるかはよく考えた方が良いです。仮に駅前にした場合、他の行政書士の事務所があれば競合が激しい可能性があります。。
だからといって他の行政書士事務所がない郊外にした場合は、集客を見込めないという問題も出てきます。
郊外で事務所を経営するには、インターネットのホームページを活用していく必要があります。
自宅開業の場合

お金に余裕がないい場合は、自宅開業をするのが無難です。儲かり始めてから事務所を借りればいいのです。
自宅開業すれば事務所の家賃もかからず通勤する必要もありません。仕事が忙しくなれば終電を気にせずに夜遅くまでに仕事をすることができます。
しかしメリットばかりでもありません。自宅開業の場合は信用性に欠けるというデメリットがあります。
自分がお客の立場になって考えて見て下さい。立派な〇〇行政書士事務所!と書いてある建物と普通の一軒家やアパートの一室に〇〇行政書士事務所と書いてある場合、あなたはどちらの行政書士事務所を選びますか?
また、プライベートと仕事の区別がつきにくいといったデメリットもあります。
開業する前に必要な物

- パソコン
- プリンター
- ファックス
- 机・椅子
- 応接セット(お茶など)
- 鍵のかかる金庫等(顧客の個人情報保護のため)
- 名刺
- 印鑑
パソコンは故障したときに備えて最低でも2台必要です。
行政書士の開業方法について試験を受ける前によく知っておこう! まとめ
行政書士の登録には多くの書類を準備する必要があり、面倒くさいと感じるかもしれませんが、開業した後の方が書類に埋もれることになるので慣れておきましょう。